「リウマチ治療と仕事Q&A」常陽リビング11月号

Q 関節リウマチで治療中です。上司から仕事を休んで治療に専念するように言われました。仕事を続けるのはやはり無理でしょうか。

尾登院長A 現在の関節リウマチの治療は有効性が高い生物学的製剤やJAK阻害剤などの薬剤が開発されたことから、仕事と治療の両立が可能となっています。生物学的製剤使用下での欠勤率や離職率を指標とした研究ではその改善が確認されています。リウマチの治療目標が単に痛みを取る事から、生活の質の改善、更にはよりよい人生を築き上げるところにシフトしていると考えています。理不尽なブラック企業でない限り、御本人の仕事観にもよりますが、仕事には社会とのつながりを生み、やり甲斐、生き甲斐をもたらす良い面があります。3人の石工の話のように、仕事が社会や他の人々にどのような貢献をもたらすのか、意義を見つめ直すと仕事はストレスではなくなり、やり甲斐となり心理的な治療効果があるようにも思います。道元が宋の典座(お寺の食事係)から「他はこれ我にあらず」と言われて、どのような仕事も取り組み方で修行であることと悟ったという逸話もあります。

当院ではリウマチ専門の作業療法士がからだや手の使い方や道具の工夫などを指導しています。リウマチ治療が目指すところは、活力に満ち、困難を乗り越える力を養って「より良い人生・アクティブライフ」を送っていただくこと。お仕事に意義を感じてらっしゃるならば、休職せずにより良いお仕事が出来るよう、できる限りお手伝いしたいと思います。