「関節症性乾癬Q&A」常陽リビング9月号

Q 膝やすねにポロポロと白い粉が剥がれ落ちるような皮膚炎があり、皮膚科で「乾癬」と診断されて、軟膏をもらっていますが良くなっていません。手指の第一関節の腫れや膝の痛みもあります。

尾登院長A 「関節症性乾癬」という、皮膚の病気と関節の病気が同じ理由で起きている一連の疾患である可能性があります。整形外科医や皮膚科医でも、この疾患に、なかなか気づき難いようです。この疾患による腰痛や臀部痛が椎間板ヘルニアと診断されていた症例や踵の痛みを扁平足と診断されていた症例も経験しました。手指の痛みもヘバーデン結節と診断されていることが多いようです。

乾癬の原因ははっきりとはわかっていませんが、免疫システムの異常で炎症を起こすサイトカインが多く作られ、皮膚炎や関節炎を悪化させていることがわかり、治療にはメトトレキサートなどの免疫抑制剤やアプレミラストというホスホジエステラーゼ阻害薬が使用されます。最近ではTNFα、インターロイキン17A、インターロイキン23などのサイトカインを直接阻害する生物学的製剤が開発されて、皮膚炎、関節炎ともに劇的に改善するようになりました。これらの薬剤はそれぞれに注意すべき特徴的有害事象があり、その対策方法があります。まずは、リウマチ財団登録薬剤師やリウマチケア看護師、リウマチ専門医にご相談されるのが良いと思います。