「リウマチと首の痛みQ&A」常陽リビング8月号

Q メトトレキサートという薬で関節リウマチの治療を受けています。首の後ろが凝ったように痛み、動かすのがつらいです。

尾登院長A 関節リウマチでは、環軸椎亜脱臼(第一頸椎と第二頸椎歯突起の回りに炎症組織ができて、首の関節がゆるむ)、が発症することがあり、放置すると脊髄の圧迫に至ることがあります。かつては私も何度か手術を執刀しましたが、最近では早期に生物学的製剤などの強力な薬物療法を行うことやMRIで早期発見してカラー固定を行うことで手術を避けられるようになっています。他に顎関節のリウマチ炎症や頸椎の石灰沈着性炎症、感染症の合併の場合があり、正確な診断がまず必要です。

リウマチと無関係な椎間関節の変形性関節症の場合も多くあります。レントゲン上の変化と痛みの原因は一致しないことも多く、全身のアライメントすなわち、姿勢がとても大切と考えます。後頚部痛がある患者さんの多くは、胸椎の動きが悪く、猫背になっています。頭は体重の一〇%と重く、少し前にずれただけで首の後ろの筋肉には過大な牽引力がかかります。胸椎の動きを良くし、体幹を鍛え、姿勢を改善するようなリハビリテーションを薦めます。ブロック注射やトリガーポイント注射も有効ですが、なによりもパソコン・スマホの扱いなど、仕事や生活上のスタイルの見直しが大切と思います。