「リウマチの薬物治療Q&A」常陽リビング6月号
Q 関節リウマチが発病して一年目の四十代の女性です。プレドニゾロンとブシラミンという薬で治療を受けていますが、手首や足首が腫れ、痛みがとれません。他に良い薬は無いのでしょうか。
尾登院長 A 関節リウマチの治療は近年大幅に進歩しています。肺炎などの感染症や肝・腎機能障害がないことが前提にはなりますが、免疫抑制剤のメトトレキサートが一般的に使われています。有効性は高いのですが、下痢などの体調不良時に内服すると重篤な副作用につがることがあり、内服に当たっては、リウマチ専門の薬剤師やリウマチケア看護師から、事前にきちんとした指導を受ける必要があります。強力に炎症を抑えて関節破壊を防止し、寛解(痛みや腫れ、検査値の異常が無い状態)に持ち込み、早期に用いれば治す事も可能となる、画期的な新薬の生物学的製剤やJAK阻害剤などの薬剤もあります。当院でも多くの患者さんに使用して好成績を上げ、ほとんどの患者さんが寛解に至っています。しかしこれらの薬剤の選択や導入、副作用予防にはコツがあり、十分なリウマチ治療経験医師の元での使用をお勧めします。リウマチ財団リウマチ登録薬剤師に聞いてみるのもよいでしょう。
より良いリウマチ治療には薬剤だけでは不十分です。関節注射、フットケア、リウマチに精通した理学・作業療法士によるリハビリテーション、合併症対策まで行うトータル治療が必要と考えています。