「リウマチと不安Q&A」常陽リビング8月号
Q 関節リウマチと診断されました。将来、寝たきりになってしまうかもと思うと不安で夜も眠れず、運動するのも体が壊れそうで怖いです。
尾登院長A 関節リウマチは、20年ほど前までは良い治療法がなかったため、関節の破壊が進行し、人工関節手術を何度も必要としたり、実際に寝たきりになってしまわれた患者さんも確かにいらっしゃいました。しかし現在では、メトトレキサートや生物学的製剤、JAK阻害剤などが早期から使用されるほか、副作用や合併症の対策方法が確立されてきたことから、適切な治療を受けてさえいれば、この病気が原因で寝たきりになってしまうことはまずありません。
さて、現在のリウマチ治療が目指しているのは、単に「血液検査で炎症反応が良くなった」、「痛みが軽減した」などの表面的な改善だけではなく、活力に満ち、困難を乗り越える力を養って「より良い人生・アクティブライフ」を送っていただくことであると私自身は考えています。ストレス対処能力を高めるためには、把握可能感、処理可能感、有意味感の三つが必要とされています。自分の病気や心とからだの状態を十分に理解する事。病気を改善し、やりたいことを実現させるための手段があることに気づき、「なんとかなる」という感触をつかむ事。「リウマチになったとしても自分のやるべき事をやるだけ」。こんな気持ちをもっていただけるように皆さんを勇気づけられたら幸いです。ヨーガや瞑想(めいそう)、良い姿勢、笑顔そして適切な運動なども心の健康には有用とされています。