「人工膝関節手術後の痛みQ&A」常陽リビング12月号

Q 変形性膝関節症で人工膝関節置換手術を受けましたが、膝の痛みが取れませんでした。原因は何が考えられますか。

尾登院長A 人工関節置換術は、軟骨がすり減って痛みが強く、関節注射や痛み止めの薬物療法、リハビリテーションで改善しない場合に適応とされ、比較的安定した成績が出されています。適応が正しければ、ほとんどの患者さんの関節の痛みを取ることができます。しかし、他院で手術をしたにも関わらず痛みが取れず、お悩みで当院を訪れる患者さんもおります。痛みの原因が軟骨のすり減りではなく、関節の周辺の腱や靱帯が付いている部分の炎症であることが比較的多いようです。また、腰椎の病変が関係していたり、実は股関節の病変が痛みの原因のこともあります。変形性膝関節症ではなく関節リウマチであった患者さんもいました。

ステロイドの局所注射や膝に負担のかからない身体操作法を習得したり、体幹を鍛えてからだのバランスを良くするようなリハビリテーション、股関節や腰椎など膝以外の原因疾患の治療で改善がみられています。

膝の痛みはレントゲンで軟骨が減っていたからといって、それだけが原因とは限りません。画像検査に頼らずに、十分に触診し、動きやからだ全体をみるなどの診療の基本を大切にすることも心がけています。