「リウマチの関節注射Q&A」常陽リビング7月号
Q メトトレキサートとタクロリムスという薬で関節リウマチの治療を受けています。右人差指だけが腫れており、主治医に生物学的製剤を勧められています。他には何か良い治療法がありませんか。
尾登院長 A 生物学的製剤は強力に炎症を抑え、早期に用いれば関節破壊を防ぐこともできる画期的な抗リウマチ薬です。当院でも多くの患者さんに使用して好成績を上げています。多関節に炎症が強い場合や進行が急速な場合には、特にお勧めしています。
貴方の場合は、実際に診察してみなければはっきりとしたことはいえませんが、現在ある炎症関節が人差指だけの単関節であるようですので、ステロイドの関節注射で改善できる可能性があります。当院では、手指以外にも足趾や顎関節などの小さな関節にも注射をおこなっていますので注射時の痛みを和らげる工夫として、極細の針を使い、アロマセラピーで緩和に努めています。関節注射に平行してイグラチモドなどの抗リウマチ薬の併用も試みて良いでしょう。スプリントの装着や関節に負荷をかけずに行う手内筋トレーニング、手指に負担をかけない道具の持ち方の工夫などのリハビリテーションをリウマチ財団登録作業療法士に指導してもらうのも有用でしょう。
私は、より良いリウマチ治療は薬剤だけでは不十分であり、関節注射や装具、リハビリテーション、合併症対策まで行う総合的な治療が必要と考えております。