「リウマチのエコー検査Q&A」常陽リビング1月号
Q 関節リウマチに対してメトトレキサートという薬で治療を受けていますが、手首や肩に痛みがあります。主治医には血液検査が良いのでこのままで問題ないと言われていますが、自分では治っているようには思えません。
尾登院長A 関節リウマチでは血液検査のCRPや赤沈という炎症マーカーを治療評価に使いますが、それはあくまで目安のひとつに過ぎません。指などの小さな関節炎では炎症マーカーが上昇しないことがしばしばあります。CRPや赤沈が良かったにもかかわらず、手指や足趾の変形が進行し、手関節が強直してしまった患者さんの診療経験もあります。リウマチ学会では炎症の数値だけではなく、患者さんの痛み指数や腫脹や圧痛がある関節の数を数え、総合的に判断することを推奨しています。最近ではエコー機器や技術の進歩により、関節炎の評価がエコーでできるようになり、当院でも積極的に病勢評価に活用しています。例えば、リウマチで肩が痛む場合、レントゲンでは早期にはわかりませんが、エコーでは、どの部分に滑膜炎があるのか、腱板損傷や石灰沈着などリウマチ以外の病変は無いのか等の鑑別も可能です。エコーを活用して適切に評価し、現在の治療効果が不十分ならば、生物学的製剤などの薬剤を選択したり、関節内ステロイド治療を行っても良いと思います。