「しもやけとリウマチ性疾患Q&A」常陽リビング1月号

Q 最近、手足のしもやけが起きています。寒さで指先が白くなってしまいます。

尾登院長A しもやけ(凍瘡)は寒冷により血行障害が起きることで発症します。かつては、冬場になると良く見かけられた疾患でしたが、近年は暖冬や衣服・暖房の改善、栄養状態改善で現象しているようです。「凍瘡」は一般的に平均気温4度、寒暖差10度で発症しやすいため、寒冷にからだが慣れるとむしろ発症しにくいとも言え、比較的暖かくても温度差があると発症することがあるようです。なお「凍傷」は氷点下の雪山で起こる四肢末梢の壊疽であり、低体温から内臓を守るため末梢の血行を犠牲にする反応であり、凍瘡とは別の疾患です。手足の血行障害は寒冷以外にも血管疾患や自己免疫疾患などの様々な病気が原因となります。喫煙や糖尿病などの生活習慣病も関係してきます。

凍瘡や凍傷以外で寒冷にさらされて末梢動脈の収縮によって指の色調が白くなってしまう現象を「レイノー現象」と言います。原因が認められない原発性のレイノー病と原因疾患が明らかな続発性に分けられます。続発性で多いのが全身性強皮症です。手指や手背の浮腫から始まることが多く、最終的にはカチカチの堅い皮膚となってしまい、肺や腎臓、食道などにも病変が起きることもあります。他に原因疾患としてクリオグロブリン血症、混合性結合組織病、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、シェーグレン症候群、甲状腺機能低下症、高安病などの血管炎やバージャー病などがあります。通常の凍瘡ではビタミンEや血管拡張薬等で治療しますが、基礎疾患がある場合には当然その治療が必要となります。

しもやけが治らない、寒冷で指先が白くなるなど手足指の血行障害が心配な場合には当院外来でご相談下さい。